読書めも 統計思考入門
「統計思考学入門」著: 水越 孝
概要
統計という文字がタイトルに含まれていますが、数式はあまり出てきません。統計学の考え方を元にして意思決定をしていくことについて知れる本です。
めも
第1章 数字で考えることのおもしろさ
感覚で物事言っても説得力がないから、根拠のある数字を出していこうというところから始まります。 全体的に分析をしてから個々の違いを見出し、グルーピングをして同グループの差異を見つけていこうという感じでした。
第2章 「同じもの」のなかに違いを見つけ出す
- 第1章に出てくる主成分分析についての詳細な説明
- 軸を変えていくことで新しい発見が得られる、その解釈は分析者に委ねられる
第3章 「違うもの」のなかに同じところを見つける
- 第1章に出てくるクラスター分析についての詳細な説明
- 分析対象の背景を考え検証と修正を繰り返すことが必要。
第4章 「全体」から「小さい全体」をつくる
- 統計でおなじみ?の母集団と標本のお話です。
- いかに母集団と同じ比率を保つかについて
- 基本はランダム。しかし条件次第ではばらつきが生まれる場合があって標本としてよくない
- だから比率を保てるように、グルーピングしてからサンプルを抽出するなど工夫する
第5章 「事実」は「真実」と一致するか
- 得られた標本って正しいのってお話です。(カイ二乗検定)
- もし標本として間違っていたとしても、統計学である程度リカバーできる
- 本来証明したい仮説の真逆の仮説を反対することで本来証明したいことを示すことができる(帰無仮説)
第6章 「迷い」から抜け出すための手法
- モデリングのお話でした。
第7章 数字に現れた現実にいかに対処するか
- 出てきた結果に向き合う。その上で議論を展開することが必要
第8章 自然公園がもたらす経済効果は?
- 市場価値のつけられないものに対する、価値の算出方法について
- そのものと同等のサービスや事例から算出したり、関係者にアンケートしてどの程度支払って良いか聞くなどを元にする
第9章 統計的アプローチで発想するということ
- 統計的アプローチとは普段何気なくやっている判断を科学的に再現したもの
- 算出した結果は同じだとしても、その解釈や扱いは分析者によるし、いずれも正しいものと言える
- 大切なのはプロセスよりも、その結果の受け止め方と、その後の意思決定
感想
数学的な内容が少なく読みやすいのと要点はわかりやすいと思いました。標本を得て分析するまでのざっくりとした流れを知ることができたという点ではよかったと思います。 が時折出てくる数式の説明が足りてないので深掘りしたい場合には調べながら読み進める必要があると思います。